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2007 12,03 23:59 |
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一日の仕事を終え、詩人はモグハウスに入った。
「おかえりなさいクポ〜」 モーグリがいつものように出迎える。 タルタルライスを炊いたものとキノコシチューだけの粗末な夕食を終え、彼はため息をついた。 こんな生活がいつまで続くのだろう。 レベル上げを中断し、金を貯めるための労働を始めてそろそろ半年になる。 たまに白魔道士として冒険に出たりしたものの、日々の労働は予想以上に彼の精神と肉体に疲労を蓄積させ、冒険への気力を蝕んでいた。 (こんな状態で、私は詩人だと言えるのだろうか……?) (いずれ私は歌えなくなってしまうのではないだろうか……?) こんな考えが、しきりに頭に浮かぶ。 金を稼ぐ才覚もなく、あれば使ってしまう性格の彼には、なかなか金が貯まらなかった。 合成職人たちへ送るギルや素材も滞っている。 そこで、彼は栽培を始めた。もうけは少ないが、世話を怠らなければ確実に稼ぐことができる。 しかし前回の栽培で、とある事情から半数の栽培人たちにクリスタルを送る事ができず、期待した収穫物が得られなかった。 しかも、目的の装備品がその収穫の時期に値上がりし始め、数日前なら買えたはずのそれが落札できなかった。 (次の収穫までにあれがもっと値上がりしたら、もう追いつけなくなってしまうのでは……) そんなことを考えていると、 「ご主人さま、荷物が届いているクポ」 「何だ? 星芒祭にはまだ早いが」 詩人は痛む脚をひきずり、ポストを開けた。 「!?」 ポストには、首飾りが入っていた。 目を射る、マラカイトグリーンの煌き。 「これは……クジャクの護符!?」 送り主は、ジュノに常駐している筆頭倉庫番の彫金師だった。 箱にはメッセージが添えられている。 「いつもお世話になっています。この間は共和国の礼服とかっこいい赤い眼鏡をありがとう。 前から頼まれていたクジャクの護符をやっと落札できましたのでお送りします。 様子を見ているうちに値上がりして、予定より高くついちゃったけど、なんとか予算内で買えました! これからもよろしくお願いします♪ 追伸 金粉を作って少しスキルが上がりました」 ***************************************************** というわけで、6月10日に金策を決意してから約半年、ようやくクジャクの護符が買えた。 PR |
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