日本橋付近を歩いていたところ、後ろで「ドサッ」という音がしたので振り返ってみると、横断歩道のところで中年のおじさんが「コントか？」というくらい派手に転んでいた。
　けっこう大きな音だったため、周囲の人がみんな見ている中、おじさんは奥さんらしき女の人に助け起こされ、何事もなかったかのように信号を渡っていった。

　数分後、道の先で再び行き会ったのだが、よく見るとおじさんのズボンは膝のところが破けて生地が垂れ下がり、手は二箇所くらい皮が剥けていてハンカチで押さえていた。

　何事もなかったかのように歩いていたけど、相当痛かったんだろうなぁ……。

　「べったら祭り」なるものを見てきたのだが、子供の頃、屋台で売っているものが食べたかったのに「ああいうのは汚いから食べちゃ駄目」と言われ買ってもらえなかったのが未だに心に刺さっていて、自分でもわかるくらい表情が固まってしまった。今なら買おうと思えば買えるのだが買えない。食べ物を抜きにしても、どうも大勢人がいて賑わっている所は苦手だ。