彫金教室に行ったら職人のＥさん（見た目は女子中学生）一人がいて、私を見てこう言った。

　「見学の○○さんですか？」

　ちょ、私一応去年の８月から通ってるんだけど？

　しかも教室の予約が取れてなかった……。先生は病院に行って一日不在だという。
　少人数制の教室で、予約はカレンダーに先生か事務の人が直接書き入れるという素朴な方法で確定されているが、先生は前回私の予約を書き忘れたらしい。
　それよりもＥさんが私の顔を知らなかったことのほうがショックだった。入るときに挨拶するくらいで口をきく用事も無いし、教室にいる間はお互いにうつむき加減でコツコツやっているだけなのだが、週に一回とはいえ９ヶ月も通っているというのに。９ヶ月といったらあなた、一人の人間が受精して生まれるくらいの期間ですよ。よく十月十日と言いますが妊娠期間は10ヶ月と10日じゃありませんよ。妊娠は四週間を一ヶ月と数えるんですよ。何の話をしてるんでしょうか。

　Ｅさんはチケットを消費しない自習は可能だと言ったが、やめにして次回の予約を入れておいた。

　10時過ぎの空いているスタバで抹茶クリームフラペチーノを食らい、秋葉原のヨドバシカメラで以前から欲しかったデジカメＧＸ200を買った。本当はアマゾンで注文しようと思ったのだが、配送先を実家に変更したら

　「なぜ、クレジットカード番号の入力が必要なのですか？」

　それはこっちが聞きたいよ！
　これは、なぜ必要なのかを説明する見出しだったのだが、この「不正な処理をしたので終了します」的な表現はなんとかならないのか。
　必要な日時に届くかどうか微妙だったのでアマゾンはやめにして、店で直接買うことにした。
　アマゾンの「ＶＦキット」よりヨドバシカメラの「ボディ」が高く、金が足りないので泣く泣くボディのほうを買った。もっと早く買う事を決めていればＶＦキットを買えたのに……。あと言われるままにメモリーカードと液晶画面保護フィルタを買い、ポイントカードを作り、言われるままにポイントを使用して保障期間を延ばした。その後ガイドブックも買った。