なんで自分のやることはすべて空回りなんだろう。




　気分転換にテレビでも見るか。

「サイン」
　アメリカの片田舎。何かにおびえる一家。父は元牧師だったが、母は交通事故で死に、それがきっかけで教会を離れた。弟は有名野球選手だったが何かの理由でリタイヤしている。未明にトウモロコシ畑に飛び出すとミステリーサークルができていた……
　どうやら宇宙人がその家を襲いに来るらしいので、家に立てこもる一家。一晩耐え、地下室から一階に上がると、宇宙人が息子を襲った。父は亡き妻の最後の言葉を思い出し、弟に「バットを振れ」と指示、弟はバットで宇宙人を撲殺、水が弱点だった宇宙人はコップの水をかぶってトドメを刺された。季節はめぐり、父は牧師に戻った。おしまい。


　ホラーやサスペンスというのは平凡な日常に徐々にきしみが入り始めるから怖いのだが、「サイン」は最初から「家の外に何かがいる！」という雰囲気なので調子が狂う。その「何か」の正体も宇宙人だということはバレバレなので、見ているこちらは白けっぱなしだ。
　宇宙人の造型は人間の爪が尖っただけだし、人間を食べに来たわりには丸腰でドアも破れないほど非力。水が苦手なのに全裸なのも解せない(雨のシーンがあったが、あの時はどうなったんだろう？)。それと地下室で息子が発作を起こすシーン、死んだのかと思ったら生きていたのには驚いた。
　というわけで、いくらでも面白くなりそうなアイディアなのになんだか調子が狂う映画だった。